UAVによる空中写真を用いた地形・建物の3D点群化に初挑戦したので報告します!!
各種ソフトウェアやハイスペックPCを導入しての念願の第一歩です!!

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記念第1号として本社社屋を3D点群化しました↑↑↑

点群とは:コンピュータ上で扱う点の集合体です。ひとつひとつの点がそれぞれX、Y、Zの座標データおよびR、G、Bの色データ等を有しており、これらの点が集合体(何万・何億単位)となることで地形や構造物を立体的に表現することが可能です。現時点では、施工分野における土量計算での利活用が中心ですが、今後、調査・計画・設計分野やインフラの維持管理分野にも拡充することで、様々な作業の効率化や技術革新が期待できます。
以下、簡単に手順を説明します。

 

STEP1 地上標定点(対空標識)の設置

まずは、対象物(社屋)の外周および中央(屋上)に地上標定点を配置します。p4050170

点群生成ソフトでは、地上標定点により成果データの精度が確保されます。地上標定点は撮影する空中写真に15画素以上で写る大きさになるよう作成します。

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STEP2 地上標定点の座標データの取得

最新のGNSS(全地球航法衛星システム)を用いて、地上標定点の正確な位置情報を取得します。

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GNSSは国土地理院が日本全国に千数百点設置・運用している電子基準点のデータを利用することにより、測量データの誤差を補正し高精度な位置情報を取得できます。

 

STEP3 空撮

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マルイチ初号機 DJI Inspire1

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ドローンによる空撮では写真のラップ(重なり)が80%以上になるよう撮影します。今後、よりグレードアップされた弐号機が導入されるか否かは、これからの私たちの成果次第です!!

 

STEP4 点群生成ソフトによる3D点群データの作成

Agisoft PhotoScan Professional edition を用いて、空撮写真から3次元地形(建物)の点群データを生成します↓↓↓

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3D点群化完了の画面です。青色が写真の撮影位置を示しています。今回は270枚の写真を合成しました。測地部のドローン操縦訓練も兼ねていたため、規模の割りに写真の枚数が多くなりました。

 

考察

事前の情報収集より、写真と地上標定点は多い方が結果が良好ということは学習していたのですが・・・・
結果として社屋1F部分や駐車場の車など地上付近のものが上手く再現できませんでした。原因としては、撮影した写真の殆どが一定高度(上空50m付近)であったため、地上に近い部分の写真データが著しく少なかったことが考えられます。
今回のようなケースで精度を上げるには、もう少し低い地点の写真データも取得する必要があると思われます。

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特に社屋1F部分が残念なことに・・・↑↑↑

 

一方で、オルソ画像は忠実に再現できており、最初にしては満足できる結果が得られました↓↓↓

%e7%a4%be%e5%b1%8b2オルソ画像とは:空中写真を地図と同じく、真上から見たような傾きのない、正しい大きさと位置に表示される画像に変換したものです。画像上で位置、面積及び距離などを正確に計測することが可能となります。

今回、3D点群化に初トライした所感としては、想定していたことと、トライして初めて分ったことが明確になりました。今後も積極的に3D点群化に取り組んでいくことで知見を高めたいと思います。

次回は、得られた3D点群データを具体的に活用するための「点群処理ソフト」について報告したいと思います。